現金と当座預金②

簿記3級対策講座

2013年04月17日 10:51

はじめる前に、前回のおさらいをしておきましょう
前回は簿記上の現金の考え方でした
簿記上の現金は
お金だけではなく、他人振出小切手を受け取った時も現金で処理をするでした
それ以外にも、いくつかありますが
まずは、「お金と他人振出小切手が現金」と覚えておきましょう

それでは本題です。

今日は、当座預金について解説してます

当座預金?ってあまり聞かない言葉ですね。
当座預金とは、支払専用の預金口座です。預金を引き出す時に小切手を用いることが特徴的です。また、当座預金口座にお金を預けても利息がつかないそうです。銀行口座の一種なので当座預金は「資産」となります

つまり銀行に「この小切手を持ってきた人に私の口座からお金を払ってね」という約束になっています。なので小切手をもらった人が銀行に小切手を持っていくとお金に換金できるんです。

ということは、自分が買い物をするときにお金を払わずに小切手を振出して支払いを済ませることができますよね
そうすると、お店の人は私からもらった小切手を銀行に持っていき、銀行が私の当座預金からお金を引き出してお店の人に渡すというふうになります。
どうですか?イメージできましたか。

なぜ、前回小切手のことを他人振出小切手とわざわざ他人振出をつけていたかというと、自分が小切手で支払いを済ませることがあるので、自分が振り出した小切手なのか、他人が振り出した小切手なのかをはっきりさせるためだったのです。また、誰が振り出した小切手かによって仕訳の処理が変わってきます

まずこの関係を覚えてください
他人振出小切手(第三者が振り出した小切手)・・・「現金」で処理
自己振出小切手(自分が振り出した小切手)・・・・「当座預金」で処理

間違いやすいので注意してください

それでは、問題です

問題1:現金500円を当座預金に預け入れた






こたえ
    借方      貸方
当座預金 500 / 現金 500

考え方
問題文の結果は当座預金に預けたです
ということは当座預金の残高が増えたということになります
なので、資産が増えたということで借方当座預金500となります
その理由は、現金を口座に入れたからです
ってことは、手許(てもと)のお金が減ったとなります
よって、資産が減ったので貸方現金500となります


問題2:商品500を仕入れ、代金は小切手を振り出して支払った









こたえ
   借方      貸方
仕入 500 / 当座預金 500

考え方
問題文の結果は自分が小切手を振り出したです
小切手を振り出したらその時点で当座預金の減少で処理します
相手が銀行に換金に行ったかどうかは関係なく、振り出した時点で「将来換金されるものだから、振り出した時点で残高が減ったと考えよう!」ということです
よって、資産が減ったとなるので貸方当座預金500となります
当座預金が減った理由は、商品を仕入れたからです
なので、仕入れに費用がかかった(お金が減った理由)として借方仕入500となります


どうですか?難しいものではないですよね。
小切手という言葉が問題文にあったら、誰が振り出しかを先に考えるようにしてください。そうすると楽に処理できます
自分が振り出したら「当座預金」、自分じゃなければ「現金」と単純に覚えてください
ただし、ひとつだけ処理が特殊なものがあるので、ここだけは注意してください
たまに、こういう問題が出題されます

問題:商品500を売り上げ、代金は小切手を受け取り、ただちに当座預金に預け入れた

今までの考え方だと、小切手を振り出したのは自分じゃないから「現金」で処理することになりますが、実はこの場合は「現金」ではなく「当座預金」で処理しないといけないのです
なぜかというと、ポイントは問題文の「ただちに当座預金に預け入れた」の言葉がある場合は「当座預金」となります
ここだけは、ちょっと特殊なのでしっかりと覚えてね。そうすると仕訳はこうなります

こたえ
     借方     貸方
当座預金 500 / 売上 500

現金で処理しないよう注意してね


今日はここまで!続きは次回とします


今回のポイント
「小切手」という単語をキーワードとして覚える
小切手は誰が振り出したのか?、小切手をただちに預け入れたのか?
この2点だけを「小切手」というキーワードで反応できるように意識して問題文を読む




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